猪鼻湖神社イノハナコジンジャ

挿絵

鎮座地

〒431-1424 静岡県シズオカケン浜松市浜名区ハママツシ ハマナク三ヶ日町下尾奈ミッカビチョウシモオナ2258

  • 投稿者かかし
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    評価:5 “猪鼻湖神社”

    ★鵺と猪が駆け抜けた伝説の地、願いごとは静かに湖へ★

    猪ノ鼻湖 イノハナコジンジャ

    浜名湖と猪鼻湖をつなぐ細い水道「猪鼻瀬戸」に静かに佇む小さな社で、朱色の太鼓橋が印象的な風景の中でしっかりと主張しています

    橋の赤が湖の青に映えて、まるで "写真のために存在" しているかのようですが、実はこの地に根を張る信仰の象徴でもあります

    湖上に突き出した巨岩「獅子岩」または「猪鼻岩」をご神体とし、波と風と太陽の光が交錯する姿は、自然そのものが祭壇を整えてくれているようです

    創祀年代は不詳ながら、周囲には弥生後期の遺跡が点在し、太古の人々が湖を前にして手を合わせた情景を想像すると、歴史の深さがじんわり伝わってきますね
    ( ・`ー・´) +

    ご祭神は武甕槌命と市杵島姫命で、市杵島姫命は弁財天としても知られ、湖の神社らしく水や芸能、そして縁のご利益に恵まれています

    社伝によれば文化元年(1804年)に修理した棟札が残り、南北朝の時代には浜名左近大夫清政が再建したと伝わります

    平安時代の超絶古い神社リスト『延喜式神名帳』にも記載されるなど、見た目こそ控えめながら歴史的ステータスは意外と高めです

    古記録には「景行天皇十九年、猿田彦神を祀る」とあり、時期によって主祭神が入れ替わった柔軟さもまた、この地らしいおおらかさを感じさせます

    「猪鼻」という地名は天狗顔の猿田彦神を思わせ、しかも海童神説まであるという多神対応ぶり、神々の合同出張所のような雰囲気すらあります

    ご利益は天下泰平、家運隆昌、海運安全、五穀豊穣、縁結びと幅広く、特に水辺で働く人々には欠かせない信仰のよりどころとして親しまれています

    赤い橋を渡ると湖面がきらめき、風が衣を揺らすたびに、古代からの祈りがそっと背中を押してくれるような気がします

    小さな社ですが、スケールは湖並みに大きい、そんな誇りを静かにたたえる神社です